テレワークとオフィスワーク、評価に有利不利はある?
日本でも、テレワークという働き方が徐々に広がりを見せてきた昨今。とくに、ここ2年のコロナ禍においては、出勤そのものがリスクを負う可能性もあってテレワークは大きく普及していったといえるでしょう。
ですが、国内の新型コロナウィルスの流行が落ち着きを見せるなかで「オフィスワークに戻していきたい」との意向を示す企業も出てきているといいます。そうなってくると、気になるのはオフィスワーカーとテレワーカーの評価の差。オフィスワーカーのほうが直接働く姿を見せることができるため、テレワーカーよりも高い評価を受けてしまうのでは……といった心配も出てくるかもしれません。そこで、今回はテレワークとオフィスワーク、それぞれの働き方で評価の有利・不利があるのかについてアンケート調査を行ってみました。
働き方で評価の違いは……
今回のアンケートではテレワーカーを対象に、「あなたの会社はテレワーク・オフィスワークで評価の有利・不利はありますか」という内容に答えていただきました。その結果は下記の通りです。

男女ともに6割以上の方が「勤務場所による有利不利はない」と回答されています。このような背景には、冒頭でも触れたように新型コロナウィルスの流行をきっかけにして、テレワークへ切り替えた方が増えたことが要因のひとつになっているのではないでしょうか。
テレワーカーが増えたことで「テレワークでも業務の効率が下がらない」という事実を具体的に証明できたことによって「給与体系やワーカーの評価に働く場所は関係ない」と考える企業も増えてきたようです。
テレワークを推進している今が常識を変えるチャンス!?
上記のアンケート結果から、半数以上の企業はテレワークを不当に評価することはない、ということがわかりました。この結果を受け、テレワーカーやこれからテレワークに切り替えようとしている方のなかには、安心された方も少なくないのではないでしょうか。
ですが、不安の種はまだ残ります。それは、テレワークが推進されている「今だけ」なのではないか、という心配です。テレワーカーに向けて「ワクチン接種後に勤務先の方針がどうなるか」というアンケートでは下記のような結果が出ました。

このようにアンケート結果の40%以上がオフィスを中心の業務に戻すと回答しています。一部の企業にとって、テレワークは緊急時の措置に過ぎないという考え方が根強い部分があるようですね。これでは、今は評価に優劣がなかったとしても将来的には……という不安が生まれてしまうかもしれません。
一方で、ワクチン接種後に希望する働き方については下記の結果となっています。

ワクチン接種後、もしくは流行の収束後も完全テレワークを継続したいと考えているワーカーが3割強、それ以外にも週2程度のテレワークを希望する声があるようです。せっかくテレワークの環境を整えたということもありますが、なによりもオフィスに出勤することなく仕事に取り組むことができるというメリットが大きいのではないでしょうか。
このような声が勤務先に届き、テレワークが一時の流行や緊急措置などではなく働き方のひとつとして認知されれば、働き方の違いで評価の優劣が変わるということはなくなっていくのではないかと考えられます。
多様な働き方をスタンダードに!
今回は、現状におけるテレワーカーとオフィスワーカーに対する評価の有利・不利、そして企業と個人それぞれのテレワーク継続対する意向から今後の可能性について考察を進めてきました。
たしかに、社会の構造を客観的にみると「すべての職業をテレワークに!」というのが簡単ではないことはよくわかります。一方で「出勤をしない方が効率的、もしくはテレワークでも効率が下がらない職種がある」というのは事実です。にもかかわらず、テレワークとオフィスワークの違いだけで評価の優劣を決めるのはナンセンスでかもしれません。
コロナ禍が収まったあとも、テレワークで生産性があがる職はテレワーク、オフィスワークが必要な職ではオフィスワーク、と多種多様な働き方が当たり前の世の中にシフトしていけば、働き方によって評価の差がつくことはないはずです。そうやってテレワーカーのみなさん、そして今後テレワークに切り替える方が不安になることがないような社会を構築していくことが今後の課題になるのではないでしょうか。